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VehicleSim製品の数学モデルは、幾通りかの方法で拡張が可能です:
- VS数学モデルは、Simulinkのような他のシミュレーション環境のモデルに接続可能です。
- VSコマンドを使用して方程式や変数を追加できます。
- Simulinkの場合と同様に、変数をカスタムプログラムで置き換えることができます。
- 数学モデルの変数は、C/C++ポインタをサポートするカスタムプログラムにより直接アクセス可能です。
ここでは、外部シミュレーション環境で作業するためのオプションについて解説します。
Simulink、FMI/FMU、LabVIEWおよびASCET
CarSim、TruckSimおよびBikeSimのモデルは、あらゆる試験や運転条件で従来型の車両をシミュレーションすることに関しては完全です。数学モデルの方程式を解決するプログラムはVSソルバープログラムと呼ばれ、空気式タイヤと従来型のサスペンション、ステアリング、ブレーキおよびパワートレインシステムを持つ車両の基本的な3次元キネマティクスおよび運動方程式を使用します。
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VehicleSimアーキテクチャは、先進電子制御装置、代替えコンポーネントモデル(タイヤ、ステアリング、パワートレインなど)、ドライバー制御、高度な試験プロシージャなどに対応するために、車両のコアモデルが拡張できるよう設計されています。同アーキテクチャは、ATLAB/Simulink、LabVIEWやETAS社のASCETのような他のシミュレーション環境における弊社車両モデルの使用もサポートします。ソフトウェアパッケージの互換性については、こちらをお読みください。
入力および出力変数
他のソフトウェアとの通信は、入力変数と出力変数の配列で行われます。
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VehicleSim製品はラッパーを使用してSimulinkに接続します。SimulinkのS-Function がVSソルバーのDLLをロードし、GUIの設定を基に構成します。クリックすると、詳細をご覧いただけます。 |
数学モデルの方程式には、他のソフトウェアで定義され、シミュレーション実行時に入力される変数の効果が含まれます。出力変数はモデルによって計算され、ラン中に他のソフトウェアに送る(出力する)ことが可能です。例えば、CarSimモデルには利用可能な約400の入力変数と800の出力変数があります。VSコマンド DEFINE_IMPORTとDEFINE_OUTPUTを用いて、より多くの入力および出力変数が簡便に定義されます。
MATLAB/Simulink
Simulinkは、数学モデルをブロック図として構築するためのグラフィカルユーザーインターフェイスを提供します。このグラフィカルインターフェイスは、電子、油圧、化学、特に制御システムなど多数の分野における運動モデルの開発で支持を得ています。
VSブラウザーは、こちらの6分間ビデオに示すように、VS数学モデルとSimulinkの接続を簡略化します。
- VSブラウザー(メインのRun Control画面上)で作業し、内蔵の数学モデルを使用するのと同じ方法でSimulinkモデルを使います。Simulinkの使い方に関する知識がほとんど、またはまったく無い場合でもSimulinkユーザーが作成したモデルを使用することが可能です。新しいシミュレーションを実行したい時に、Run Nowボタンをクリックするだけです。
- Simulinkで作業し、他のS-functionを使用するのと同じ方法で弊社のS-functionプラグインを使います。VSブラウザーや弊社のモデルの詳細についてほとんど知識がなくても、Simulink内から弊社車両運動モデルを使用することが可能です。Send to Simulinkボタンをクリックすると必要なデータがすべてSimulinkに転送され、そこからSimulinkで作業します。通常のようにSimulink内から結果を閲覧するのに加え、VSブラウザーに随時転送し直して車両特性を調整したり、またVS Visualizerを使用して生成した結果をSimulinkで閲覧することもできます。
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VehicleSim製品は、FMIバージョン1.0と2.0のFMU、フラットおよび構造化I/O、自己充足型データまたは共有データ、そして32ビットまたは64ビットソルバーをサポートします。 |
弊社の車両モデルには、利用可能な入力と出力用の変数が数百ありますが、Simulinkに車両モデルを取り込む際、そのすべてを処理する必要はありません。通常のSimulinkモデルが使用するのは、利用可能な変数の内の数種のみです。これら変数は、Simulinkへの入力とSimulinkからの出力用の特定の変数を有効化するのに使用するVSブラウザー画面からポイントアンドクリックで有効化されます。
ファンクショナルモックアップインターフェイス(FMI)
ファンクショナルモックアップインターフェイス(FMI)は、複数のシミュレーションツールを一緒にリンクするためのオープンスタンダードのインターフェイスです。FMIは、モデルの交換や運動モデルの連成をサポートします(詳細は、ウェブサイトhttp://fmi-standard.org/をご覧ください。)
ファンクショナルモックアップユニット(FMU)は、シミュレーションのワークスペースで実行可能なブロックです。
Run Control画面には、Run Control画面もしくはSimulinkからSimulinkモデルでのランを制御するための簡便なボタンが用意されています。LabVIEWおよびASCETにも同様のオプションが提供されています。 |
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1回のボタン操作によりFMI互換ソフトウェアで使用するFMUを作成します。FMUには、現行のRun Control設定のすべての設定が含まれます。 |
BikeSim、CarSimおよびTruckSimは、以下のオプションに対し連成のスレーブとしてVS FMUを自動的に生成できます:
- FMIバージョン1.0および2.0
- 「フラットな」I/O定義および「構造化された」I/O定義
- 自己充足型FMUと外部ファイルで動作するFMUの両方
- 外部データファイルを使用するFMUはSimulinkのS-Functionと同様な形式で動作し、外部データベースファイルにアクセスしてVS Visualizerで表示可能な出力ファイルを生成します。
- 自己充足型のバージョンは、ソルバーおよび必要となるすべてのデータが1つのFMUファイル内に含まれます。出力ファイルはテンポラリーフォルダに書き込まれます。
- 32ビットおよび64ビット両方のWindows OS向けにコンパイルされています。(RTのオペレーティングシステム向けバージョンは現在開発中です。)

National Instruments社のLabVIEWおよびETAS社のASCETも、弊社の車両モデルを拡張するために使用することができるシミュレーション環境です。VSブラウザーGUIは、Simulinkに提供されているのと同種のシンプルクリック設定や接続コントロールをサポートします。

車両のコアモデルは動的にリンクされたライブラリ(DLL)ファイルとしてコンパイルされ、そのすべてがVehicleSimアプリケーションプログラムインターフェイス(VS API)をサポートします。
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Simulink モデルからの入力可能な数百の変数からポイントアンドクリックで選択します。選択されたRun Control データセットに対し自動的に閲覧情報が作成されます。クリックすると、詳細をご覧いただけます。 |
同じDLLが、スタンドアローンのラン(外部ソフトウェアが無い状態で車両コアモデルを実行)でも、またSimulink、 LabView、ASCET、あるいはDLLを使用することができるいずれかの言語で書かれたカスタムプログラムでも使用されます。DLLは常に高速で実行され、通常のPC上のリアルタイムよりもはるかに早く結果を提供します。異なるコンテクストでも使用されるDLLは1つであるため、シミュレーション環境に依存することなく全く同じ挙動が得られます。